Network Users' Group ``wheel'' / Dai ISHIJIMA's Page / SL Zaurus関連 /
Zaurus with *BSD / OpenBSD/zaurusをインストール

初版: 2005-02-03
最終更新日: 2005-02-06


OpenBSD/zaurusをインストール


●目次

インストールの前に, ブート用ファイルのコピー, インストールカーネルでOpenBSDをブート, インストール開始, ターミナルタイプ, 再確認, ディスクの選択, fdisk, disklabel, ファイルシステム作成, ホスト名とネットワーク, パスワード, どれをインストール


●インストールの前に

あらかじめ、 OpenBSDのパーティションを作成 しておきました。 C3000の内蔵ハードディスクは、 工場出荷状態では3つのパーティションに分割されています。 3番めのパーティション(hda3)は、 FATファイルシステムとして約3.5Gバイトが割り当てられています。 ここを約1.5Gバイト(hda3)と約2Gバイト(hda4)に分割しなおし、 後半の2GバイトをOpenBSDで使うことにしました。 詳細は「OpenBSDのパーティションを作成」 をご覧ください。

また、インストールはftpを使うことにし、 インストールに必要なファイルを 自前のftpサーバ(FreeBSDが動いているノートパソコン)に置いておきました。 このサーバのIPアドレスは192.168.0.2とします。 また、ファイルは「~/pub/OpenBSD/3.6/zaurus/」に置きました。 使ったファイルは次のとおり。
ファイルサイズタイムスタンプMD5チェックサム
INSTALL.zaurus121054Jan 26 21:2687afde9818b770bf5296225b7319e898
MD5561Jan 26 21:26486f7ddb2e3e5087dec90df70f412158
base36.tgz42490761Jan 26 21:28be820ac4fb9e0157907ea965ed16961b
bsd2735322Jan 26 21:28f627e9ea32727f0f0709b70b142b6d42
bsd.rd4138724Jan 26 21:285d85502775e9347f95867f419ba6c00e
comp36.tgz17822734Jan 26 21:2917fd14f5927181195eeb0ed154473da3
etc36.tgz1700437Jan 26 21:29c47e75087de5d11bc6fb847b2cb2abf5
game36.tgz2648179Jan 26 21:29cecd185407cc3ebb1d9ce786fe242e7f
man36.tgz7342945Jan 26 21:293b418baede99ecb53dc2b4cb9f601596
misc36.tgz2275902Jan 26 21:29c727db9bec1698ff7ce552073975ffdb
xbase36.tgz11851652Jan 30 08:28540b1879c74db090b8bcc8c21fe2c8be
xetc36.tgz97856Jan 30 08:28cd2b20ade2116b5d4b0c135941ce73ee
xfont36.tgz33193310Jan 30 08:2856cebe9c40ca538f084172f1b95e9616
xserv36.tgz9977531Jan 30 08:28349d47ffbdfbb792a1bee20696cbcae2
xshare36.tgz1984743Jan 30 08:2894c81602820cee60b18e8c97a1aeec5a
zboot46040Jan 26 21:2977ff04c3849c9c8a2b19917574e80f8c
zbsdmod.o4288Jan 26 21:29ab4b3f97e3b90d613056ac756c22709b
これらのファイルをOpenBSDの国内サイトからダウンロードし、 MD5ファイルに書かれているMD5チェックサムと一致しているか確認し、 INSTALL.zaurusに目をとおします。


●ブート用ファイルのコピー

ザウルス側に、zbsdmod.o、bsd、bsd.rdの各ファイルを転送します。


●インストールカーネルでOpenBSDをブート

# insmod zbsdmod.o
# cp bsd.rd /proc/zboot
で、ブートします。


●インストール開始

めでたくインストール用カーネルでブートできたら、 青地に白地でシステムメッセージが表示されたあと、 インストーラが動き
erase ^?, werase ^W, kill ^U, intr ^C, status ^T
(I)nstall, (U)pgrade or (S)hell?
というメッセージが表示されます。 ここで「i」を入力して、インストールを開始します。
対応ログ


●ターミナルタイプ

インストールを開始すると、
Welcome to the OpenBSD/zaurus 3.6 install program.
略
というメッセージが表示されたあと、
Terminal type? [vt220]
と、ターミナルのタイプをきいてきます。 ここでは、デフォルトとして表示されているvt220のままということで、 エンターを押します。
対応ログ


●インストールの再確認

ターミナルタイプを指定したら、次に、
IS YOUR DATA BACKED UP? As with anything that modifies disk contents, this
program can cause SIGNIFICANT data loss.
略
と「バックアップしたか?」とか「重大なデータロス」とか脅し文句が 表示されます。 そのあと、
Proceed with install? [no]
「インストールに進みますか」ときいてきます。 デフォルトは「no」ですが、インストールするので、 「yes」を入力します。
対応ログ


●インストール先ディスクの設定

まずはインストール先をどこにするかの設定です。 内蔵ハードディスク(wd0)にインストールします。 以下の質問には、デフォルトのままということでエンターを押します。
Which one is the root disk? (or 'done') [wd0]
また、ディスクの全領域を使うかときいてきますが、
Do you want to use *all* of wd0 for OpenBSD? [no]
最初に書いたように、OpenBSD用に確保したパーティション(hda4)だけしか 使わないので、ここでもデフォルト(no)のままということで エンターを押します。
対応ログ


●fdisk

インストール先ディスクを指定したら、
You will now create a single MBR partition to contain your OpenBSD data. This
partition must have an id of 'A6'; must *NOT* overlap other partitions; and
must be marked as the only active partition.
というメッセージが表示されたあと、 OpenBSDのfdiskが動きます。 すでにLinuxでfdiskを使ってパーティションを確保してあるので、 ここでは特に何もすることはありません。 表示されたパーティション情報
Disk: wd0	geometry: 1024/8/17 [7999488 Sectors]
Offset: 0	Signature: 0xAA55
         Starting       Ending       LBA Info:
 #: id    C   H  S -    C   H  S [       start:      size   ]
------------------------------------------------------------------------
 0: 83    0   3 13 - 1511   7 17 [          63:      205569 ] Linux files*
 1: 83 1512   0  1 - 7559   7 17 [      205632:      822528 ] Linux files*
 2: 0C 7560   0  1 - 29647   0  8 [     1028160:     3003840 ] Win95 FAT32L
*3: A6 29647   0  9 - 58819   6  2 [     4032000:     3967488 ] OpenBSD     
を確認しておくといいでしょう。 電卓で検算してもいいかもしれません。 なお、ここではジオメトリ情報がLinuxでの値と異なっていますが、 それはあまり気にしなくてもいい(※)でしょう。 Linuxのfdiskでは、1008[セクタ/シリンダ]で、 4001シリンダから7936シリンダまで割り当てたので、 セクタ単位だと、 4032000(=(4001-1)*1008)から7999488(=7936*1008)までの 3967488(7999488-4032000)セクタとなります。 合ってますよね?

とりあえず、「fdisk: 1>」プロンプトに「help」と入力してコマンドを確認し、 何もしなくてよいので、「quit」を入力して(※)fdiskを終了します。
対応ログ
※ヘタにこのジオメトリ情報がMBRに書き込まれるとよくないかも。
※「quit」ではなく「exit」で終了したほうがよさそうです。


●disklabel

fdiskの次は、disklabelです。
You will now create an OpenBSD disklabel inside the OpenBSD MBR
partition. The disklabel defines how OpenBSD splits up the MBR partition
into OpenBSD partitions in which filesystems and swap space are created.
disklabelが起動すると、

Initial label editor (enter '?' for help at any prompt)
>
というメッセージが表示されます。
ここで、まずは「?」を入力してdisklabelで使えるコマンドを
確認しておきましょう。

次に「p」を押してディスクラベルを表示します。

device: /dev/rwd0c
中略
16 partitions:
#             size        offset  fstype [fsize bsize  cpg]
  a:       3967488       4032000  unused      0     0      # Cyl 29647*- 58819*
  c:       7999488             0  unused      0     0      # Cyl     0 - 58819*
  i:        205569            63  ext2fs                   # Cyl     0*-  1511 
  j:        822528        205632  ext2fs                   # Cyl  1512 -  7559 
  k:       3003840       1028160   MSDOS                   # Cyl  7560 - 29647*
ここでは、OpenBSDに割り当てた4032000セクタから3967488までが、 aパーティション(wd0a)に割り当てられています。 これをルートパーティションとスワップの二つに分割します。 本当は、もう少し細かく分割(/tmpや/varを独立したパーティションとする) ほうがいいですが、ま、簡単にすませておきました。

分割するには、「m」コマンドを使います。 aパーティションのタイプを「4.2BSD」とし、 サイズを3800000セクタにします。
対応ログ

次に、bパーティション(wd0b)を確保してスワップに割り当てます。 これには「a」コマンドを使い、 bパーティションを7832000セクタからの残りの領域に割り当て、 ファイルシステムのタイプを「swap」にします。
対応ログ

最後に「p」コマンドで確認し、

16 partitions:
#             size        offset  fstype [fsize bsize  cpg]
  a:       3800000       4032000  4.2BSD      0     0    0 # Cyl 29647*- 57588*
  b:        167488       7832000    swap                   # Cyl 57588*- 58819*
  c:       7999488             0  unused      0     0      # Cyl     0 - 58819*
  i:        205569            63  ext2fs                   # Cyl     0*-  1511 
  j:        822528        205632  ext2fs                   # Cyl  1512 -  7559 
  k:       3003840       1028160   MSDOS                   # Cyl  7560 - 29647*
「q」コマンドでディスクラベルを書込みます。
対応ログ


●ファイルシステムの作成

ディスクラベルを書き込んだら、
The next step *DESTROYS* all existing data on these partitions!
Are you really sure that you're ready to proceed? [no]
とパーティションを初期化(ファイルシステムを作成)していいかを きいてきます。 「yes」を入力して、さきほど書き込んだラベルをもとに ファイルシステムを作成します。
対応ログ


●ホスト名とネットワーク

ファイルシステムの次は、ホスト名やネットワークの設定です。 設定内容は以下のとおり。 対応ログ


●パスワード

ホスト名の設定の次は、rootのパスワードです。
Password for root account?
とパスワードをきいてきますので、パスワードを入力します。 ここでは入力したパスワードはエコーバックされません。 そして、確認のため、もう一度パスワードを入力します。
対応ログ


●どうやってどこからどれをインストールするか

パスワードの設定が終わったら、どうやってインストールするかを たずねられます。
Sets can be located on a (m)ounted filesystem; a (c)drom, (d)isk or (t)ape
device; or a (f)tp, (n)fs or (h)ttp server.
Where are the install sets? (or 'done') 
ftpをつかってインストールするので「f」を入力します。 そのあと、インストール元のIPアドレスなどを以下のように順に入力します。 対応ログ

パスワードを入力すると、

The following sets are available. Enter a filename, 'all' to select
all the sets, or 'done'. You may de-select a set by prepending a '-'
to its name.
	[X] bsd
	[X] bsd.rd
	[X] base36.tgz
中略
	[ ] xserv36.tgz

File name? (or 'done') [xbase36.tgz] 
と表示され、どのファイルをインストールするかをきいてきます。 ここでは「all」として、全部インストールすることにします。 「all」を入力したら、「bsd」から「xserv36.tgz」まで全部の ファイルにチェックがつき、
File name? (or 'done') [done]
ときいてきます。ここではエンターを押します。 すると、
Ready to install sets? [yes] 
準備はいいかときいてきますので、エンターを押します。 ここでエンターを押すと、選択したファイル(要するに全部)の インストールがはじまります。
対応ログ

インストール中は

Getting bsd ...
100% |**************************************************|  2671 KB    00:03
のように進行状況が表示されます。 わたしの環境では、インストールにおよそ8分かかりました。

ファイルのインストールが終わると、再び、

Sets can be located on a (m)ounted filesystem; a (c)drom, (d)isk or (t)ape
device; or a (f)tp, (n)fs or (h)ttp server.
Where are the install sets? (or 'done') [done] 
ときいてきます。各ファイルのインストールがすんだので、 エンターを押して「done」を選択します。
対応ログ

各ファイルのインストールが終わると、 「sshdを動かすか」、「Xを使うか」を聞いてきます。

Start sshd(8) by default? [yes] 
にはエンターを押し、
Do you expect to run the X Window System? [yes]
には「no」を入力しておきました (noにしてもxinitコマンドでXをあげることができます)。

その次はタイムゾーンをきいてきます。

What timezone are you in? ('?' for list) [Canada/Mountain]
ここでは「?」を入力してリストを表示させ、 そのなかの「Japan」を選びます。再度
What timezone are you in? ('?' for list) [Canada/Mountain] 
と出たら「Japan」を入力します。

最後に

CONGRATULATIONS! Your OpenBSD install has been successfully completed!
To boot the new system, enter halt at the command prompt. Once the
system has halted, reset the machine and boot from the disk.
#
と出たら「halt」を入力します。これでOpenBSD/zaurusのインストールは完了です。
対応ログ