PHS活用シリーズその5 pdxmem -- read H" memory data v0.0 「H"」のメモリデータを読む Copyright (C) 2001 by Dai ISHIJIMA ☆はじめに 最近の携帯電話/PHS端末には、電子メール送受信機能が内蔵されてい て、簡単にメールを受け取ることができます。手軽で便利な機能ですが、 端末に置いておけるメールの件数には上限があります。そこで、満杯に なる前に不要なメールを消去する必要がありますが、中には残しておき たいものもあります。そんなときは、このプログラムでLXに保存してく ださい。 ☆注意事項 作者はエッジ端末を所有していません。このため、このプログラムに は、実際にエッジ端末を接続てテストを行えば、簡単に回避できたかも しれない不具合などが含まれているかもしれません。 このプログラムの運用によって生じる結果について、作者は一切の責 任を負いません。 場合によっては、PHS端末の各種設定やメールなどの 情報が失われるかもしれません。 また、このプログラムを使用して何らかの不具合が発生しても、それ について DDIポケット株式会社、あるいは端末やデータカードのメーカ に問い合わせることはご遠慮下さい。 このプログラムを利用するに当たっては、これらのリスクがあること をご承知おきください。繰り返しますが、作者は一切の責任を負いませ ん。あくまで自己責任のもとでご利用ください。 もちろん、以上の点について了承できない方には、このソフトを使わ ない自由も残されています (笑)。 ☆動作環境 このプログラムは、200LXのようなDOSベースのIBM PC互換マシンで動 作します。H"端末は、データカード経由で接続するものとシリアルポー トにケーブルで接続するものが使えます。 ☆アーカイブファイルの中身 アーカイブファイル「pdxmem00.lzh」には、 readme.txt このファイル hosoku.txt ライブラリ登録時の補足説明 pdxmem.exe 実行形式ファイル pdxmem.c コンパイルに必要なソースファイル makefile.cpp 同上 の4つのファイルが入ってます。 ☆プログラムのインストール アーカイブファイル「pdxmem00.lzh」から実行ファイル「pdxmem.exe」 を取り出し、適当なディレクトリにコピーしてください。以下にアーカ イブファイルがc:\tmpにあり、c:\binに実行ファイルをインストールす る例を示します。 実行例 (1) C:\>cd \tmp C:\TMP>lha x pdxmem00.lzh C:\TMP>copy pdxmem.exe \bin 実行例 (2) C:\>cd \bin C:\>lha x \tmp\pdxmem00.lzh pdxmem.exe ☆使用方法 LXにPHS端末をデータカード経由、あるいはシリアルポート経由で接 続ます。このとき、データカード経由の場合は、cic100などのカードイ ネーブラを有効にしておきます。この状態で、 いわゆる生DOSあるいは MAXDOS環境からpdxmemを動かすと、標準出力にPHS端末に記憶されてい るメールデータが出てきます。以下に実行例を示します。 実行例 (1) C:\>pdxmem データをファイルに保存するときは、「> 出力先」をつけて以下のよ うにします。 実行例 (2) C:\>pdxmem > mail.txt PHS端末をデータカードではなく、シリアルポート経由で接続した場 合は、シリアルポートを指定して以下のようにします。 実行例 (3) C:\>pdxmem com1: データカード経由の接続時では、オプション指定は特に必要ではあり ませんが、pdxmemにはいくつかのオプションがあります。起動時の書式 は以下のとおりです。 pdxmem [オプション] [シリアルポート] [> 出力先] オプションには以下のものがあります。 -<数値> シリアルポートの速度を<数値>にします。 デフォルトは38400bpsです。 例: "-4800", "-9600" -l <ログファイル> 実行状況をログファイルに記録します。 デフォルトではファイルへの記録を行いません。 例: "-l c:\log\pdxmem.log" -d デバッグ用のオプションです。実行状況を詳細に出力します。 -b <待ち時間> シリアルポートの初期化を行ってから、PHS端末に初期化コマ ンドを送るまでの待ち時間を秒で指定します。デフォルトは "-b 0" (待ち時間なし) です。 -t PHS端末を初期化するときに、初期化コマンド (ATZ) を二度 送信するかしないかを切り替えます。デフォルトは二度送信し ます。 <シリアルポート> PHS端末を接続したポートを指定します。デフォルトは COM2: (データカード経由) です。 例: "com1:" デフォルト状態は、オプションとして「-38400」および「com2:」を 指定した pdxmem -38400 com2: と同じになっています。 ☆診断出力 以下に pdxmem.exe が標準エラー出力に出すメッセージとその意味を 示します。先頭に「×」がついているのはエラーメッセージです。「○」 がついているのは、プログラムの実行状況を示すためのメッセージで、 出るのが正しい動作です。「・」はデバッグ用メッセージで、通常は出 力されません。「△」はエラーメッセージといえばエラーメッセージで すが、動作には支障がないものです。 ×Usage: … 起動時のオプションが正しくないときに出ます。 ○type: 16550A, fifo enabled データカードが16550A互換FIFOを備えていることを意味します。 なお、シリアルポート接続時には表示されないはずです。 ○establishing connection with the PHS PHSを初期化するときに出力されます。 ×can't connect to the PHS (I/F disabled?) データカードやPHSが物理的に接続されていないときや、カードイ ネーブラが動作していないときに出ます。 ×opening memory failed メールを読めないときに表示されます。「エッジ向けアプリケーシ ョンソフト」に対応している端末やカードであるかどうかを確認し てください。 ・you may have # memory records in # メールがいくつH"端末に保存されているかを表示します。ただし、 正確なものではありません。 ○reading record #nn nn件目のデータを読み込んでいることを示します。 ○end of record detected at record #nn データを読み終えたことを示します。 ×can't get record #nn nn件目のデータの読み込みに失敗したことを示します。 △re-initialize failed 電話帳読み込み終了後の再初期化に失敗したことを意味します。 出たとしても動作には支障はないはずです。 ・sending AT… PHSにATコマンドを送信するときに出ます。 ・result code: … PHSからの応答を表示しています。 ☆コンパイル方法 配布アーカイブには、ソースファイルの一部しか入っていません。足 りないファイルである chat.h, chat.c, codeconv.h, codeconv.c, common.h, intr.h, intr.c, tictac.c, tty.h, tty.c, tty_at.c は拙作「ppm v0.2」および「hpb v0.0」から用意してください。 コンパイルするには、上記ファイルを用意して C:\TMP>cpp -DLSIC makefile.cpp > makefile C:\TMP>make としてください。 cppによるmakefileの作成や、各種コンパイラでのコ ンパイル方法は、「ppm v0.2」と同じです。 ☆おことわり このプログラムはフリーソフトウェアです。このプログラムの著作権 は作者である いしじま☆だい が所有しています。 このプログラムの全部、または一部をそのまま利用して商用目的のプ ログラムを作成することはご遠慮ください。 フリーソフトウェアの作成や個人的な範囲での利用が目的の場合は、 このプログラムの全部、または一部をそのまま利用してもかまいません。 他機種への移植や他のオペレーティングシステムへの移植、そしてそれ らをフリーソフトウェアとして公開することを歓迎します。 このプログラムを再配布する場合は、アーカイブファイルに含まれる すべてのファイルを変更せずにそのまま配布してください。 このプログラムを書籍や雑誌などの出版物で紹介したり、CD-ROMなど に収録する場合は、事後でもかまいませんのでぜひとも連絡をいただき たいと思います。また、このプログラムや付属するドキュメントなどの 一部あるいは全部を出版物などにそのまま掲載する場合は必ず事前に連 絡してください。 ☆参考文献 ・DDIポケット株式会社:「エッジ向けアプリケーションソフト」, http://www.ddipocket.co.jp/service/i_hapuri.html ・いしじま☆だい:「LXでH"の電話帳を読む v0.0」, hpb00.lzh, @NIFTY FHPPC LIB(8)#1027 ・いしじま☆だい:「LXでパルディオEメール v0.3」, ppm03.lzh, @NIFTY FHPPC LIB(8)#987 ・いしじま☆だい:「LXでPHSの電話帳をR/W v0.1」, ppb01.lzh, @NIFTY FHPPC LIB(8)#921 ☆謝辞 このプログラムの作成において、動作テストや改良すべき点を示して くださった、FHPPCのみなさまに感謝を表します。 エッジ端末を持って いない作者が、このプログラムを公開することができたのは、みなさま からのレポートやご意見があったからこそです。本当にありがとうござ いました。 pdxmem v0.0 Copyright (C) 2001 by Dai ISHIJIMA E-mail: BXC01416 <-at-> nifty.ne.jp Web Page: http://hp.vector.co.jp/authors/VA004814/